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一緒に歩く事

君と一緒にバスに乗って、あまり通った事がない道を目的も定めずにぶらぶらする事。
君と一緒に自転車に乗って、川沿いを何キロも何十キロも遡ってサイクリングする事。
君と一緒に電車に乗って、まだ降りた事のない近郊の駅で下車して町の路地を歩いてみる事。
歩く速度が変わり、歩幅が変わり、腕を組む事も少なくなったけれど、お互いの息遣いや、体調や、興味を引く事柄は、深く考えなくても自然と分かる様になってきたね。
それは君が一緒に、いつも横を歩いていてくれたから。
今年もまた、2月の半ばから8月の半ばまでの半年間、僕たちは同い年で時間を過ごすね。うん、15回目だよ。
半歩位の距離を先に歩いたり、追いついたりしながら、愛おしさや、かけがいのなさがゆっくり募って行くね。


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     晩春(白木蓮)

     小さな土地の隅に佇んで

     彼女は暗紫色の花の訪れを待った

     ――――全てのものを失いかけながら


     闇の中で色あせた翼はうす汚れ

     飛び立つ気配すら感じとれない

     あの優雅な姿を萌え出る葉にたくして

     うすく広がっているもやの敷物の中に

     翼たちが墜落してゆく

     暖かみを帯びた風に

     最後の笑みを浮かべ

     わずかな残香が尾を引いて

     もやの中に包み込まれて行く

-- ’77 「樹脂」 Chapter 若い幹 --


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   驢 馬

  雑踏の中で驢馬はうろたえている

  哀れなほどに ピンと立った耳を

  ピクピク震わせながら

  背中の大きな荷物が

  肩にくい込んで

  痛いのも しばし忘れて

  大きく澄んだ瞳を見開き

  悲しみの上におびえの色を重ね 立っている

  忠実で優しい驢馬は

  早く主人が来るのを待って

  雑踏の中に立っている

-- ’77 「樹脂」 Chapter 若い幹 --


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水車止まった

  春の風はささやかな歓喜の微笑を包み込んで
  栗色の長い髪に
  薄紫の木蓮の髪飾りを差し翳し
  優しげな香りを添え
  乙女の頬をなでて行く

  ・・・・ 乙女よ
  私の瞳にニンフのように映る姿に
  いつ?気づくのだろう
  木蓮の花開き始め
  香りが私のもとに届いたら
  舞い飛ぶ蝶の衣服まとった身体
  見ることが出来る

  手を広げゆるやかなターンをして
  踊り始めた乙女が
  私の呟きに答えるのは
  木陰の水車のリズムの中か

  夢深く落ちた顔ばせを見つめ
  ぬくもりだけを拾いあげる

  小川のせせらぎ遅くなり
  水車 回らなくなる
  乙女の身体包む草の中に
  水車の音聞こえない

-- ’77 「樹脂」 Chapter 暖 --


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   金の巻き毛

   枯れ草の束で編み上げた
   優しいカーペットさながらに
   広がっている 芦の中
   波の動きにあわせて
    そこに居たんだ
   彼をおおう空気の
   凪いだ波間に浮かんでいる
   そのカヌーの上から
   零れてきた貴女の調べに
   広いガラスの翼を預け
   青い鷺たちは流れていった
   空気の合間をすり抜けて
   この調べ・・・・彼を充たせと

   象牙のハープに張られている
   金の撚り糸を弾く貴女の細い指は
   幾つもの巻き毛が
   からみつき邪魔をする
   貴女の瞳の奥深く 歪められた視界から
   湧きあふれた泉水が
   アカシアの匂いを秘めながら
   金の撚り糸に触れた時
   くるりくるりとよじれながら
   撚り糸は貴女の調べを担って
    空気の波間に細い金の渦を広げていった
   金の巻き毛・・・・・・彼に届けと 

     -- ’77 「樹脂」 Chapter 暖 --


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序詩 ~春が来る~

      序詩 ~春が来る~

        机に残された林檎が

        部屋の中を甘酸っぱい香りで満たした時

        いにしえの言葉を手放してしまったから

        振り返った道の中に埋もれてしまった

        戸惑いを感じた時

        心の中の歯車が

        錆びついた事が分かるように

               今

        手に満たした香りを

        流れ去る煙に放した後

        灯をともし始める


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