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     晩春(白木蓮)

     小さな土地の隅に佇んで

     彼女は暗紫色の花の訪れを待った

     ――――全てのものを失いかけながら


     闇の中で色あせた翼はうす汚れ

     飛び立つ気配すら感じとれない

     あの優雅な姿を萌え出る葉にたくして

     うすく広がっているもやの敷物の中に

     翼たちが墜落してゆく

     暖かみを帯びた風に

     最後の笑みを浮かべ

     わずかな残香が尾を引いて

     もやの中に包み込まれて行く

-- ’77 「樹脂」 Chapter 若い幹 --


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